ヴォイスプロフィール (日本音響研究所調べ)

日本音響研究所にて、私、宮川晴代の音声分析をして頂きました。

日本音響研究所長
理・法・心理・医学博士
鈴木松美 先生

分析者 日本音響研究所 鈴木松美先生
分析期間 2008年5月15日~2008年6月5日
分析資料 宮川晴代音声
分析事項 分析資料の音声の音響的特徴について
分析方法 分析資料を周波数分析し、その音響的特徴を考察する方法

分析資料の周波数 分析結果

<図1>

図中縦軸は周波数に対応、横軸は時間に対応し、そのスケールは図中に示すとおり。
表示色は相対信号強度に比例し、レベルが低いところから順に
5dB 毎に黒→茶→赤→橙→黄→緑→青→紫→灰→白で表示されている。

一般に人間の聴覚の特性は、下は50Hz付近から上は16,000Hz付近まで聞こえ、特に2,500~5,000Hz 付近が最も聞こえやすく、50Hz付近と比較して3,000Hz付近ではエネルギー比で約300倍感度が良くなっている。

分析資料においては、<図1>中に赤い線で囲った部分の約2,500~4,500Hz付近に強い周波数成分の分布が認められる。

この周波数帯は人間の耳の感度が最も良い周波数帯で、この周波数帯に周波数成分を集めることで、いわゆる「マイク通りの良い声」となり、様々な音響信号が同時に存在する環境下においても聞き取りやすい音声にする事が出来る。

一般に腹式発声を行うとこの周波数帯に音声の周波数成分が強く出る傾向にある。
また、青い線で囲った部分の約9,200Hz~11,400Hz の周波数帯にも、強い周波数成分の分布が認められる。

この周波数帯域は、一般には子音のなかでも特に摩擦音である「s」破裂音である「k、t」などで発生する場合が多いが、分析資料の場合、子音に限らず母音の高調波成分においてもこの周波数帯域に多くの周波数成分が分布している。



一般にこのような高調波成分は通常8,000Hz付近までしか見られないが、この周波数帯まで高調波が見られるのは非常に希であるといえる。

さらに、子音発声による周波数成分が超音波領域である20,000Hz以上まで認められる。
これら周波数帯に強く成分が分布しているということは、音韻の明瞭性が良いということともに、超音波を多く含んだ音声は、清潔感・清涼感を得ることが出来る。

さらに、高調波成分が多いということで弦楽器のような厚みがある暖かなイメージのある音声であるといえる。

分析資料の声帯の 基本周波数の推移

<図2>

図中縦軸は周波数に対応、横軸は時間に対応し、そのスケールは図中に示すとおり。
一般的に相手に理解してもらうために強調する箇所などは、声帯の基本周波数を上げて伝えると、聴き手の印象に残りやすい。

また、人間が楽しかったり、怒ったりなど感情的に興奮すると声帯を吊る筋肉が緊張し、声帯の基本周波数が上がる傾向がある。


それ故、声帯の基本周波数の上下する幅が広ければ、聴き手に感情が伝わりやすくなる。
分析資料の声帯の基本周波数は平均で約200Hz 最低値約134Hz、最高値約338Hzであった。

一般人の場合、声帯の基本周波数の変動は最低値に対して最高値は+30%程度であるが、分析資料の場合、最低値に対して最高値が+150%と非常に変動幅が大きいことがわかる。

故に、分析資料では聴き手に伝えたい情報を正確に伝え、なおかつ、感情の起伏なども伝えることが出来る音声であるということが出来る。

分析資料「思っています」該当部分 周波数 分析結果

<図3>

一般的に「良い音」とされる音を集めて、その特性を分析したところ、その多くに「ゆらぎ」が認められた。
この「ゆらぎ」には「周波数ゆらぎ」と「振幅ゆらぎ」があり、前者のゆらぎは時間的に周波数が定期的に変動し、後者のゆらぎは時間的に振幅(音の大きさ)が定期的に変動する。

このゆらぎ」がある音を聞くと、リラックスすることが出来て脳波中のα波が優位になる傾向があるとされる。
対象音声にこの「ゆらぎ」がみられるか検証するため周波数分析を行いその結果を<図3>に示す。

図中縦軸は周波数に対応、横軸は時間に対応し、そのスケールは図中に示すとおり。
表示色は相対信号強度に比例し、レベルが低いところから順に5dB 毎に黒→茶→赤→橙→黄→緑→青→紫→灰→白で表示されている。(以降別添図のスケールも同様)

<図3>を見てみると白い線で囲まれた部分が、「思っています」と発声した一連の文章の語尾に相当箇所で、周波数成分が時間的にとぎれとぎれになっていることがわかる。

これは、上記の振幅ゆらぎに相当するものであり、ゆらぎが時間的にやや不安定ではあるが、聴き手に安心感を与え、リラックスさせる音声であるといえる。